労務間トラブル回避Q&A

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よくあるご質問

Q1.事例1

職務手当などの手当に残業代を包括し一律に支給することをきちんと規定している場合には有効となります。しかしこの一律に支払われる額が実際に働いた残業代を計算したものを下回る場合は、その差額を支払わなくてはなりません。またこの残業代の差額の計算は支払期ごとに計算しなくてはなりません。先月は少なかったから今月分と相殺する、なんてことはできません。

トラブル回避

変形労働時間制、みなし労働時間制の導入など

※業務命令のない残業は、会社が「就業時間内の労働で足りる」と判断すれば労働時間になりません。しかし黙示的に残業の命令があったとする場合等は労働時間となります。会社側も残業命令、帰宅命令をしっかり行い、適切な時間管理を行うことがトラブル回避になります。

Q2.解雇の後でも賞与は払うの?

従業員を解雇した後の賞与支払について、「在籍していた分の賞与を貰う権利はある!」と従業員から詰め寄られた。
賞与とは「定期または臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額があらかじめ確定されていないもののこと(厚生労働省労働基準局)」であり、以下のように分けることができます。

  1. 賃金の後払い的性格
  2. 功労褒賞的性格
  3. 成果配分的性格

と考えると、1や3の場合、支払わなくてはいけないような気がします。
答えは会社が自由に決めて良いものなのです。しかし就業規則等に明示し、従業員に周知させることが大前提です。

トラブル回避

「支給日に在籍していること」などの文言を賞与支給規定の中に盛り込むなど就業規則を整備する。また解雇については厳しい制限規則があるので、無用なトラブル回避のためにも、賞与直前の解雇はなるべく避けたほうが無難です。
※また当然ですが、働いた期間の賃金は支払わなくてはいけません。

Q3.社員が過労死してしまった

今大きな社会問題となっている過労死とは、休日不足や長時間労働による疲労の蓄積やストレスなどの働き過ぎが原因で、心不全、心筋梗塞や脳疾患などを起こし、死亡するものです。過労死と認められる条件ですが、次の三要件が挙げられます。

  1. 発症直前から前日までの間において、発生状態を時間的および場所的に明確にし得る異常な出来事(以下「異常な出来事」という。)に遭遇したこと。
  2. 発症に近接した時期において、特に過重な業務(以下「短期間の過重業務」という。)に就労したこと。
  3. 発症前の長期にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務(以下「長期間の過重業務」という。)に就労したこと。

過労死と認定されると、業務災害となり会社の責任問題が発生します。つまりふだんから従業員の健康に対して措置を講じていたか、ということです。会社が何の措置も講じていなかったのであれば、遺族からの損害賠償請求を拒むことはできなくなります。

トラブル回避

法定の健康診断を受けさせるのはもちろん、異常が認められた場合は再検査を行わせたり、業務の軽減などをはかるようにする。とくに加重とされる業務に就かせている従業員についてはふだんから健康状態を把握するようにすることが貴重な従業員を失うこと、無用な遺族とのトラブルを避けることにつながります。
※従業員が自殺した場合は以下の要件について会社責任が問われます。

  1. 自殺について、労働以外の要因があるか
  2. 会社が従業員の異常に気がついていたか
  3. 会社が従業員の異常について、措置を行っていたか
  4. 自殺に至るまでの労働が加重であったか

会社は安全配慮義務を負っており、従業員の心身について危険から保護しなくてはなりません。

Q4.連絡の取れない無断欠勤の従業員を解雇したいのだけど?

無断欠勤の従業員に連絡が取れない場合、会社が従業員本人に対して解雇の意思表示ができず、解雇はできません。しかし会社としては業務に支障が出る、従業員の補充をする判断が下せない、保険料を払い続けなくてはならないと、様々な問題が生じます。

ではどうすれば良いか?公示送達?それでは無駄な時間と労力がかかります。ではどうするの?そうです、就業規則に規定すれば良いのです。

トラブル回避

「連絡の取れない無断欠勤が一定期間(特定しておきます)続いた場合、その従業員は退職の意思表示をしたものとして扱う」とする文言を就業規則に定める。
※もちろん就業規則は従業員に開示しないとその効果はありません。

Q5.試用期間ってどれくらいの長さまで設けられるの?

会社にとって本採用を決める前の試用期間は、その社員の能力や適性を判断するための重要な期間です。とはいっても当の従業員にしてみれば、待遇・賃金などの面で大変不安な期間でもあります。

トラブル回避

一般的な試用期間は1~6ヶ月。会社は試用期間の趣旨や条件などを対象者に良く説明し、むやみに長い試用期間設定や試用期間の延長などはしないほうが賢明です。
※賃金を低く抑えるための試用期間は認められません。判例で雇入れ後6ヶ月程経ると最低賃金法が適用された場合もあります。
また、試用期間中でも雇入れの日から14日が過ぎると、解雇予告制度(1ヶ月前に通知)が適用されます。

Q6.不当解雇ってどんな解雇を指すの?

解雇を行うには、解雇事由を就業規則に定めておく必要があります。解雇事由を列挙した場合、就業規則に定めがない事由で解雇はできませんので、不当解雇となります。

トラブル回避

そのため会社としては該当事由を広くすることができるように、就業規則の解雇事由に「その他前記の事項に順ずる理由」という解雇事由を明記しておくのが一般的です。

しかし、無謀な解雇はそれ自体無効となります。また、同じ理由で、ある人は減給なのに、ある人は解雇というような差別的な処置も認められません。また以下の項目については法律で解雇を禁じています。

  • 社会的身分、信条、国籍を理由とする解雇
  • 労働組合の活動を理由とする解雇
  • 労働基準監督署に会社の労働基準法違反を申告したことを理由にする解雇
  • 女性であることを理由とする解雇
  • 年次有給休暇を取得したことを理由とする解雇
  • 産前産後休暇中とその後の30日間の解雇
  • 業務上の怪我や病気の療養中とその後の30日間の解雇
  • 女性労働者の結婚、妊娠、出産を理由とする解雇
  • 産休、育児休業、介護休業を申告したことによる解雇

また整理解雇を行う場合は、これを回避するために配置や部署転換などあらゆる措置を講じた上でなければ不当解雇となります。

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